イナズマノベル2

第三十六話

第36話「Dead or alive」

雷門イレブンの前に現れた少年、京極 刹那。

円堂達は彼のチームである『キメラ』と試合をすることになるが、彼らの完璧な戦術の前に追い詰められていく。

そしてその試合の裏で、それぞれの物語はゆっくりと、それでいて確実に動き始めていて…。

***

キメラの圧倒的な実力の前に、円堂達は危機を迎えていた。
既に二点先制され、残り3分で前半終了。あと一点取られれば、反撃は難しい。

しかし…。

かといって、攻撃の機会が見つからない。
相手のチームワークは完璧で、攻守共に隙が全く見当たらない。そもそもキメラの戦型は、攻撃よりも防御を主体としたもの。

今の状況でも、反撃は困難…。

ファンネル「『サザンクロスカット』!!」

半田と向き合ったファンネルが地面を強く踏みつけ、彼を抜き去る。
すれ違い様に巨大な×字のエネルギーが、半田を切り刻む…!

ボールを奪われ、再び雷門は窮地に立たされる。

一之瀬「『フレイムダンス』!!」

体に炎を纏い、強力な火炎の牙をファンネルにぶつける。その熱気はファンネルの目を眩まし、彼の顔を熱く焼く。

ファンネル「チッ…。カーム!」

攻撃することを諦め、真後ろにいたカームにボールを預ける。

すぐさまシャドウがボールを奪いに行くが、他の選手に行く手を阻まれ前に進めない。

刹那「カーム!3.2秒後、左斜め前に『ワープドライブ』だ!」

その言葉に従い、斜め前を向いて『ワープドライブ』を発動する。ワープした先にはファンネルとエリオットがおり、上手くパスを繋げた。

豪炎寺「(あいつ…カームの歩幅で確実にファンネル達がいる場所にワープ出来るよう、技の発動時間まで指定したのか?)」

刹那のゲームメイクに驚愕する豪炎寺。
鬼道さんと同等か、若しくはそれ以上…。

エリオットが爪先で転がしたボールが、高速で回転する。周りの地面が抉れ、重力に逆らってそのボールに吸い寄せられていく…。

エリオット「『アストロ…ブレイク』!」

暗黒の『氣』を纏ったシュートが、大地を削りながら進む。
触れたものを破壊し、それが通った場所に残されるのは一筋の『道』。
そんな危険なシュートが、円堂に襲いかかった…!

円堂「『イナズマ…ブレイザー』!!!」

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