イナズマノベル2

第三十三話

第33話「疑われた仲間」


シュルトケスナー藻の力を得て、闇の力を増幅させたシャドウ。

その力は『正義の鉄拳』すら容易く打ち砕くほど強力なものだった。

パワーアップしたシャドウの実力に感心する中、突然現れた探田達がとち狂ったことを言い出して…。

***

円堂「シャドウが『ジョーカー』?…嘘だよな、シャドウ。そんなこと…。」

問い掛ける円堂を手で制し、シャドウが鬼瓦達に向き直った。

先程まで晴れていた天気は一変、シャドウの心中を象徴するかのような黒雲が明るい日差しを遮り始める。

夏未かん「!なるほど…。五回戦の後シャドウ君が突然いなくなったのは、ジョーカーとして私達の前に現れたから…。ジョーカーが姿を消した途端シャドウ君が戻って来たのもそのためね。」

夏未かんのその言葉にみんなハッとする。そう、あの時…石ノ森SCのメンバーが襲われた時、姿が見えなかったのはシャドウだけ…。

探田「決まりだな。…さあ、お前の罪を数えろ!」

シャドウ「違う!俺はジョーカーがじゃない!」

必死の弁解も却って芝居じみてしまった。今の雷門イレブンにとって、あの場にシャドウがいなかったという事実…鬼瓦達の言葉に納得するには、それだけで十分だった。

探田「…なら、言い方を変えようか。元・ジョーカー君?」

シャドウ「…めろ。」

鬼瓦「シャドウ君、君はかつて…k」

シャドウ「…やめろ。言うな…!」

動揺を抑え、声を振り絞って探田達の言葉を遮る。

シュウ「君はかつて影山 零治のもとで活動していた。フットボールフロンティアを攪乱し、帝国学園を優勝させるために。」

鬼瓦の言葉を引き継ぎ、無情にも雷門イレブンの前でシャドウの過去を暴露するシュウ。その顔には明かされていない情報を握る者、事件に関する手札の数を自慢するかのような得意気なものが感じられた。

シャドウ「!?」

シュウ「闇野 カゲト、通称:シャドウ…。闇野カゲオ・闇夫妻の長男として誕生する。幼い頃駅のコインロッカーに閉じ込められた過去があり、そのせいで暗闇に対してトラウマを持っている。

両親は幼少期に死別。生まれながらにして強大な闇の力…『究極の闇』を体に宿しているという中ニ設定を持ち、その闇の力な目を付けた影山に引き取られる。…その後は自身に宿った闇を解放するため、特殊な訓練を受けていたんだっけな?」

シュウの問いに観念して頷く。

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