イナズマノベル2

第二十六話

『イナズマイレブン2.5 PROJECT NOAH』

第26話「戦わなければ生き残れない」

フットボールフェスティバル五回戦の相手は、優勝候補の一チーム・石ノ森SCだった。

助っ人として参加した、雷門中野球部の雷鳴 仁を加えて試合に臨むも、相手の圧倒的な実力に押され、風丸・少林・宍戸が負傷。

雷門が不利な状態で試合が進むが、遂に頼れるDF・壁山が復活し…。

***

前半戦終了後、雷門イレブンは水分補給をしていた。

得点は未だ0−0、とはいえ雷門中が劣勢なのは誰の目にも明らかだった。

円堂「いてて…。」

円堂が真っ赤に腫れ上がった両手をさすりながら顔をしかめる。

相手の戦闘スタイルは終始一貫して『攻め』。

かなり攻撃的な上に強力なシュート技を使ってくるため、自然とGKに負担がかかる。

風丸「くそ…俺が試合に出られれば…。」

風丸が悔しげに呟く。

先程のキック技が直撃し、風丸はまだ動けないのだ。

響鬼「よし壁山、後半からはお前もDFとして参加しろ。久しぶりの試合だが動けるな?」

壁山「もちろんッス!」

雷鳴「サッカーの試合って疲れるな。ずっと走りっぱなしなのが辛い。」

雷鳴がゴロッと横になる。

雷鳴「『あいつら』はまだ来ねえのかよ…。」

木野「『あいつら』?」

木野の問いかけに雷鳴は首だけ向けて答える。

雷鳴「他の部からの助っ人だよ。俺達は生徒会長に頼まれて、サッカー部を助けに来たんだ。」

他の助っ人は剣道部の那須 与一、帰宅部の福津 朔也、陸上部の鈴虫 月彦らしいのだが…。

間もなく後半戦が始まる。

痛みを癒やす暇も無く、試合に向けて準備を始める雷門中。

目金「?ちょっと待って下さいよ!」

目金が不意に声を上げた。

円堂「どうしたんだ、目金。」

目金「風丸君、宍戸君、少林寺君の分は誰が試合に出るんです?人数が足りませんよ?」

???「それなら心配いらないさ。」

突然後ろで声がした。

振り返ると、3人の少年が立っていた。

風丸「鈴虫じゃないか!」

鈴虫「久しぶりだな、風丸。」

陸上部の鈴虫…赤い髪の少年が元陸上部の同志・風丸を見つめる。

福津「全く、鈴虫が『かっこよく颯爽と登場したい』って言うから来るのが遅くなっちゃったよ。」

包帯を顔に巻き付けた、帰宅部の福津が不服そうに呟く。

那須「おまけにあまりかっこいい登場の仕方は出来なかったしな。」

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