第1話「ifの世界」 某所にある巨大な屋敷から、紅蓮の炎が姿を現したのは深夜2時を回った頃だった。 勢い良く暴れまわるそれは、屋敷を蹂躙し、辺りを昼間の如く明るく照らしあげた。 ???「家が…燃えている…。」 パジャマ姿の少年が燃え上がる屋敷を眺めている。 彼の血縁関係者は事故や病気で次々と死んでいき、彼の家族だけがあとに残された。 だが、この火事で両親も兄も姉も弟妹も失い、少年の一族は彼一人を残して全て死に絶えてしまった。 ???「人の死はなんて呆気ないんだろう…。僕も目が覚めずにあのまま燃えれば良かったのに…。」 夜中に目が覚めた少年は、焦げ臭い匂いと直感で火事だと悟り、家を飛び出したのだ。 少年が目を覚ました時、既に他の家族や使用人、偶然泊まりに来ていた客人達はみんな凶悪な炎の餌食となっており、少年も後少し目を覚ますのが遅かったら巻き込まれていたことであろう。 ???「つまらないな、人生って。結末は『死』と分かりきっている。もうこの人生ゲームも終わりにしようかな…。」 少年が燃え盛る炎に向かって足を踏み出した瞬間…。 おっさん「待ちたまえ。」 不意に、突然現れた男が少年の肩を掴んだ。 ???「誰?」 おっさん「私は影山。君はまだ死ぬべきでは無い。」 ???「どういうこと?」 炎を背にして立つ少年。 炎と向かい合う形で立っている男…影山の体は、赤く照らされている。 影山「私の計画には君の力が必要だ。君の天才的な能力で、私に力を貸して欲しい。」 ???「…面白いのかい?」 影山「ああ。君の退屈した人生とやらを、面白くできる。」 ???「…なら、力を貸すよ。少しは楽しくなりそうだからね…。」 炎に照らされながら、影山と少年が手を組んだ。 既に「ノア計画」は、この時から始まっていたのかもしれない。 紅く、形の無い生き物が建物を喰らい尽くした時、2人は朱の世界を離れ、暗い夜の世界へと戻っていった。 …雷門中が福岡でザ・ジェネシスと接触した時と同じ頃の話である。 *** 雷門中がダークエンペラーズに勝利し、研崎も逮捕され、ようやく脅威の侵略者との長い戦いが終わった。 風丸達も改心し、雷門サッカー部の仲間が再びグラウンドに集まった。 円堂「終わったんだな…全て…。よーしみんな、雷門サッカー部を立て直さなきゃ!」 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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