水死

 水死(すいし)とは、液体が呼吸器系へ侵入し、肺に水がたまるなどして気道がふさがれることにより引き起こされる窒息死の一種である。主に水難事故で引き起こされ、溺死(できし)ともいう。

 2002年の警察庁のまとめによると、日本での水難事故の発生件数は1,722件で、その内死亡者は951件である。死亡率は約50%と、交通事故などに比べても圧倒的に死亡率が高い。特に65歳以上の水難事故者の致死率は一番高く、7割近くが死亡している。これは、自身の身体能力の衰えに対する認識不足から水難事故に陥りやすく、さらに、水難事故に遭遇した際に対処できうる体力がないことによると考えられている。

 発生場所は海が一番多く、水死者全体の50%近くを占める。以下、河川、用水路、湖沼池、プールと続く。また、乳児の水死の数は多くはないが、風呂場での水死が多いことが特徴としてあげられる。これは日本の家庭では残り湯を残す習慣があり、つかまり立ちなど、自力で移動できるようになった乳児が、残り湯の残った浴槽に頭から転落して水死に至る事故が発生することによるものである。

 水死事故の大半は着衣の状態で起こっていて、着衣のまま泳ぐことに慣れていないことや、衣服が水を含んで重くなったり、水中での抵抗になることで体力の消耗が激しいことも水死に至る大きな要因となっている。衣類を身につけたまま水中に落ちた場合はむやみに泳がず、近くに浮き木などがあれば掴まって助けを待つと体力を消耗しない。小学生ならばランドセルの中身を捨てて逆さまにし、浮き具のようにするといった方法もとれる。着衣の場合は不慮の事故で水中に転落する場合が多く、負傷していたり、パニック状態に陥っているために適切な対応ができない例も多い。さらに、こうしたケースは水温が低い季節でも起こり、体温を奪われることで体力の消耗を早くして溺死に至る危険性が高い。着衣のまま水辺に近づくことは危険であるという危機意識を持つことが、水中に落ちる危険を回避し、水中でも落ち着いて対処できるように備えることができる。レジャーなどで水辺に向かう場合は、単独での行動を避けることで早期の救助や通報が可能となる。

 水死に至るまでの過程は、まず、急速な体表温度の低下に誘発された心臓発作や外傷などで意識を失ったり、体力低下やパニック状態に陥ったことで水中から顔を上げることができずに、あるいは人為的、偶発的に水中から脱出できない状況を強いられて窒息に至る。血中の酸素濃度が低下すると無意識に息を吸おうとしてパニックを招く。なんとか空気を吸おうと必死にもがき動くため、血中の酸素が消費されて脳が酸素不足に陥り、さらに正常な判断ができなくなってしまう。もし水が喉の中の喉頭あるいは声帯に入れば、気管が凝縮して、侵入を拒む。肺には普段、この水の侵入を防ぐ機能が働いているが、一度水が肺の中に入ってしまえば、この機能は途端に無意味になる。酸素欠乏のため徐々に無意識の状態に陥り、心停止に至る。まだ、この状態になっても助かる可能性はあるが、酸素が一時的に供給されなかった脳に傷害が残る場合があり、重度の場合は脳死や遷延性意識障害となる可能性がある。

 溺れた人を水死させないためには、早期の応急救護が必要である。一般的に、心臓停止から3分たてば死亡率が50%、10分たてばほとんど生存が見込めなくなる。他には呼吸停止の場合、10分で死亡率が50%、30分たてば殆ど生存は見込めない。救急車に通報をして1分以内に救助にくる可能性は皆無に等しく、発見者など、現場に居合わせた者が心肺蘇生法などの救急処置をとる必要がある。

 自殺の手法で、いわゆる入水自殺というものがある。しかし、自殺志願者の中には、死後自分の体が水分を吸い、全身が膨張した姿になることを嫌がる人間も多い。加えて、体内部で発生した腐敗ガスのせいで浮上してしまうことがあり、自分の遺体が野次馬の視線に晒される可能性があることも嫌われる。腐敗ガスによる浮力は20kg〜30kgのおもりをつけても浮く場合がある。また遺体がどこに流れ着くか分からず、それが他殺遺体なのか自殺遺体なのかの判別も難しい。


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