戦死

 戦死(せんし)とは、軍や市民防衛隊あるいはゲリラなどの構成員が作戦・戦闘に参加し、その行動中に死亡することを言う。

 戦死は、戦時中に戦闘に参加し、死亡すること全般を指す。概ね作戦終了後に行われる「戦場掃除」によって生死を確認、遺体の回収などが行われる。しかし状況が切迫している場合は遺体が回収されないこともあり、最悪の場合には回収すべき遺体そのものが原形を留めていなかったり、あるいは回収すべき対象すら残らない場合もある。

 また、あまりに混乱した状況では本人確認が困難となる傾向もあり、このためドッグタグのような本人確認のための手段も存在する。かつては全身の遺体回収が困難な場合、所持していた私物や遺髪・指などを切り取って持ち帰ったり、戦地の砂や土とされるものが遺族に渡される例もあった。

 戦争中に、戦闘に参加した兵士の生死そのものが確認できなくなるケースや、捕虜となりその後の消息がつかめなくなるケース、あるいは所属部隊が激戦地に配属され部隊が消滅してしまった場合に、誤って家族に戦死の報が届く場合もある。日本では第二次世界大戦中、所属部隊が全滅とされ関係者が遺体の無いまま戦死したとみなし、戦後になって当人が抑留生活などから帰還して、自分の墓と対面するなどといった椿事もしばしば発生したことなどが伝えられている。

 戦場で行える措置には限りがあるために負傷が悪化して死亡する戦傷病死がしばしば発生する。この場合は死亡の主要因が戦闘に拠るなどの事情もあって戦病死ではなく戦死扱いになることが多い。

 現代の兵士が直接戦闘で死傷する原因のトップは砲爆撃である。砲弾や爆弾は炸裂すると広い範囲に破片が飛び散り、その破片に当たった多くの兵士が死傷するからである。現代の兵士がヘルメットやボディアーマーを身につけているのはこのためで、これは銃弾などの直撃から身を守ることよりも、破片による死傷を防ぐ意味合いが強い。こと軍用ヘルメットは、戦場で歩兵の主装備となっている小銃やアサルトライフルの弾丸が易々と貫通するが、それとて破片などの衝突には有効な防御力をもちうるため、第一次世界大戦よりの歩兵装備として有効性が認められて発達し、現代的な装備としても標準的な地位を得ている。

 厳密には戦死と異なるが、軍事活動下での死傷者を出す事故はさほど珍しくない。暴発など武器の事故は言うに及ばず、空母で艦載機事故による火災が原因で亡くなるケースや、移動中の航空機や自動車の事故といったケースも少なからず見られる。これは戦時に限らず平時にもあることであり、戦闘を経験していない自衛隊でも警察予備隊創設から2008年までに約1800名の殉職者を出している。

 やはり厳密には戦死と異なるが、戦場では戦病死も無視できない要素である。戦病死は時代をさかのぼるほど多く、近代までは主要な死因であった。現代における非対称戦争の多勢側では、兵站や輸送が充実しているため治療が受けやすいが、その限りではない状況下で疾病はしばしば致命的となりがちである。一般に衛生状態がよくない戦場において兵站が十分でないと栄養不足や医薬品不足から命を落とす兵士が後を絶たず、伝染病や風土病が流行して死者が大量にでることも珍しくない。戦闘ストレス反応による自殺といったケースのほか、マラリアなど風土病による病死や野営中に野生動物に襲われたケースなど、戦場という劣悪な環境下では様々な死が存在する。その一方で寒冷地での行軍は低体温症を招き、凍死者を発生させる。こういった劣悪な環境による負傷や戦病は、むしろ直接的な戦闘より多くの死傷者・要救護者を発生させうる。


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