太の席は窓側の後ろから二つ目で、周囲を確認するにはもってこいなﾎﾟｼﾞｼｮﾝだった。窓を開ければ涼しげな春風を浴びることができる。ただ気をつけなければならないのが、風向きだ。太から放たれる悪魔が、ｸﾗｽの皆に襲いかかる恐れはあった。それを知っているのはまだ、後ろの席のﾐｯﾁｰただ一人だけだった。 「あっ俺健二よろしくね。なんか臭くない？！」 隣の席は、健二（けんじ）というちょっと不細工な奴だが、根は優しそうな感じだった。 「ん？」 たまたま見た健二の筆箱には乱雑に（ﾌｪﾗｰﾘ）と書かれていた。 「好きなの？」 健二は不細工な顔に更にやらしさを足した笑顔で頷いた。 ﾐｯﾁｰの隣、つまり太の斜め後ろには矢吹（やぶき）という男が座った。眼鏡をかけたCOOLそうな、確実に太や健二が入れそうもないｲｹﾒﾝというｼﾞｬﾝﾙだ。すでに矢吹の声にかなりの女が殺られていた。 [物語を読む] [指定㌻開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
友達に教える [編集] 無料ﾎｰﾑﾍﾟｰｼﾞ作成は@peps! |