太(ふとし)は心地よい春風を背に、これから通う緑川高校に夢と希望を抱いていた。 途中、同じ学校だと思われる三人組の女の子達をいかにも涼しげに抜きさり、顔をチェックする余裕を見せた。 「左から、中の下、小の上、大の大・・・。大の大!!?!」 太は目を疑った。 驚くほどカワイイ。そして、驚くほどに身長が高い。太はなんだか惜しいことをした気分になった。 「ハァ−。」 太はため息と一緒に口臭をチェックした。 太には、秋チャンという好きな女の子がいる。いや、いた。幼稚園のころからずっと一緒だった、いわゆる幼なじみである。幼稚園の年長さんの時に、大きくなったら結婚しようねと、誓いあったほど仲良しだったが、秋は中1で彼氏を作った。太も負けじと、幾度と秋に挑戦したがことごとく、涙を飲んだ。中3の夏が一番惜しかった。それ以来、太の携帯に秋という文字は無かった。 緑川高校に着くと、太はすでにザブ濡れだった。 「ハァ−。」 下駄箱で口臭をチェックしたら、まっさかさまに教室の一番近くのトイレに向かった。 [物語を読む] [指定n開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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