『 夏ミカン 』

第1話『認識』
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「ふとし!!いつまで寝てるの!!今日は登校日初日でしょ!?」
「もう起きてるよ!!糞ババア!!」
太(ふとし)はまだ寝ていたが、朝から少しイラっとした。ベッドからおりて風呂場に向かいシャワ−を浴びる。太は朝シャンが好きだった。人に会うときはもちろん、シャカった後には必ずシャワ−をあびなければ気がすまないという綺麗ずきなのである。昨夜から準備していたおnewのパンツに着替えると少しダサイ。どうせみえないからいいやと気持でカバ−し制服に着替えた。
太はこの度、緑川中学を卒業し、この春から晴れて緑川高校の一員になるのだ。そして今日がその初日である。
「ちゃんとお弁当もった?車にきをつけるのよ」
太の母は口は臭いが、何処にでもいる普通の母親だ。「うっせぇーな!わかってるよ!!」
太は急いで家あとにした。
緑川高校は小高い山の上にある。中学の時の通学路とそうは変わりないが、この春の朝日とちょっと大人になったんじゃねえかという気持ちから、とても新鮮に感じた。
「彼女できるかな?」
太は心の中でそう思い、ふと自分の汗の量に軽く引いた。
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