1・1 孤独とは世界である。 1・11 ここで述べられる世界とは、一般における閉鎖された世界のことである。 1・12 孤独からすれば、世界には何も無いと言える。 1・121 世界の中では、本来あらゆるものには区別が無い。 1・122 世界の中を区別する時、それを幻想と呼ぶ。 1・13 現実もまた、例外無く孤独である。 1・131 一般で言うところの世界全体は、ここでは現実と呼ぶ。 1・2 世界とは孤独である。 1・21 ある領域Aが存在する時、孤独は領域Aを包括する。さらに大きな領域Bが領域Aを含めて存在する時、孤独は領域Bを包括する。そうして、孤独はあらゆる全ての事物を包括している。 1・22 あらゆる全ては孤独という性質を持ち、孤独の名において、あらゆる全ては同じである。 1・221 リンゴは赤い性質を持ち、赤い物と名づけて差し支えがない。イチゴも赤い性質を持つため、リンゴと区別が付かなくなってしまうが、赤い物についての特徴を考えたいのなら、それがリンゴであるかイチゴであるかなど意味をなさない。 1・222 孤独という性質を持つあらゆる全てを区別するなど、ここでは意味をなさない。 1・223 個から全へと帰納することも、全から個へと演繹することも、それぞれの個に違いを見出す必要がないので差し支えがない。 1・3 一般における孤独であるか孤独でないかを判断するとは、ここでは孤独感を感じるか感じないかという意味である。常に孤独であることには変わりがないからである。 1・4 孤独感には少なくとも8つの種類がある。 1・41 孤独感は外的孤独感と内的孤独感とに分かれる。外的孤独感は世界の外からの刺激によって、内的孤独感は世界の反省によって生じる。 1・411 外的孤独感は嫌悪的孤独感と結果的孤独感とに分かれる。嫌悪的孤独感は世界の外の何かを拒絶することによって、結果的孤独感は世界の外の意識されない動きによって生じる。 1・4111 嫌悪的孤独感のうちに、対人的孤独感と社会的孤独感が含まれる。 1・41111 対人的孤独感は環境における対人関係の中で感じる孤独感である。この人たちとは一緒に活動したくないと感じるのはこれの類である。 1・41112 社会的孤独感は対人的孤独感よりも大きな孤独感である。雑踏の中で一人、自分が虚しく感じるのはこれの類である。 1・4112 結果的孤独感のうちに、運命的孤独感と決断的孤独感が含まれる。 1・41121 運命的孤独感は、ある集団の中で、自分がまるでそれが偶然であるかのように厄介者として扱われているように感じる孤独感である。誰かの仕業によるものではないために、決断的孤独感より辛く感じることがある。 1・41122 決断的孤独感は、ある集団の中で、自分が集団全体あるいは一部の作為によって弾き出されているように感じる孤独感である。いじめはこれの類である。 1・412 内的孤独感は積極的孤独感と消極的孤独感とに分かれる。積極的孤独感は積極的な仕方で孤独感を感じようとし、消極的孤独感は消極的な仕方で孤独感を感じようとする。 1・4121 積極的孤独感のうちに、余暇的孤独感と懐疑的孤独感が含まれる。 1・41211 余暇的孤独感は、あえて他者から遠ざかることで、自分の時間を満喫しようとする孤独感である。一人散歩や一人旅はこれの類である。 1・41212 懐疑的孤独感は、あえて他者から遠ざかることで、孤独と向き合おうとする孤独感である。 1・4122 消極的孤独感のうちに、無関心的孤独感と罪悪感的孤独感が含まれる。 1・41221 無関心的孤独感は、他者に関心がない、あるいは自分にしか関心がないために、孤独になろうとする孤独感である。 1・41222 罪悪感的孤独感は、その場に自分さえいなければ場が崩れることはないと思い、その場を離れようとする孤独感である。 1・42 しかし、いずれの孤独感も複合的に組み合わさることで感じるものなので、上記の孤独感から唯一を取り出すことは難しい。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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