人肉経

2021年01月04日(月)
【日記】
房総半島にて、銚子から館山まで歩いてきた。8つの灯台を見た。歩いた、ただそれだけのことで、家についてしまったらただの一人だ。他にやることもないから日記を書くだけのこと、紙の日記を旅先ではつけていたが、帰ってきてしまってはペンをとるのがめんどくさい。充電し放題でいい世の中じゃないか。

そう、帰ってきてからは旅がどんなだったか記録や写真には残っているものの既に忘れかけている。そのわりに異常に足の裏が痛く、これは数日にわたって続くんだろうと覚悟する。自分が凄いことを成し遂げたとは特に思わない、全く思わないかと言えば、帰りの電車に乗った80Lのザックがあることで己の存在が異様に感じられ、むしろ惨めな気持ちにさえなった。何で自分はこんなことやっているんだろう、ムダなんじゃないかとさえ卑下してしまいそうになる。

小学生の頃、西村というクラスメイトが夏休みの自由研究で自分の家から遠くまで歩きましたみたいな発表をしたのを覚えている。早朝に世良田を出発し、親に後ろをついていってもらいながら、昼ごろ前橋辺りについて終わったんじゃないかと思う。ホントかよと当時ツッコミを入れたくなった気がする、それと私が今回、というか山に登ったり街を歩いたりしていることは他人から見れば何も変わりゃしない、どうでもいいことなのだろう。Facebookに西村を見つけたので覗くと、小さな会社の社長になったらしい、私はフリーター。

同じく小学生の頃、父の職場主催で歩け歩け大会というウォーキングイベントがあった。父と一緒に参加して、どこかの田舎道をやっぱりひたすら歩いてた。序盤で鼻血を出して不調だったのが、後半ふと元気になって父が階段を疲れながら上がってくるのを待っていた。思い出せばあれが原点だったのだろうか、家に帰ってきたらダイソーに売ってたりゅうたくんというたまごっちみたいなゲームの恐竜が死んでいてかなしかったが星たべよをふてくされながら食べたと思う。

自動車の免許を持っていないというのもあるけれど、旅行でどっか草津だの那須だのディズニーだの連れて行ってもらっても、楽しいは楽しいんだけど何かがヘンというか、納得できないしこりみたいなのがあった。自転車を乗り回して家から遠くへ行けば、ママチャリで一日最高100キロ漕いだんだったか、ある程度は解消されるんだけど、いつパンクするか壊れるか分からないし信用ならないと感じるようになっていた。つまり私は、自分の足で地をついて歩きたかったんだと30歳になる。その方法によってでしか、旅を旅として感じられないことが幸せだとも思わないが、そもそも月日は百代の過客、旅なんざまどろっこしいことしなくても、生活そのものが旅であるはずなんだ。

どうだ、私の家はみつかったかと、私に問いかける。いつものかれこれ十年くらい居るアパートへ戻り、電気は切れたからヘッドライトで照らし、その洞窟へ入る。魔法の竜のように、頭を垂れて祠へ帰る。



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