人肉経

2016年10月11日(火)
【日記】
これだけ世の中が発達しているというのに、地元の駅で降りても辺りに飲食店などない。青春の切符に乗りながら思うのが、この町の人々は一体どこで食料を得るのだろうかと、しかし飢えて山中をバタバタ倒れるのでないからには、どこかで確保していることになる。のりものに乗れなければ、世のスピードには追いてゆかれない。

「俺が死んだらみんなのことよろしくな」と言われて、私はここにひとり居る。その遺言から未だ抜け出せていないように思う。死んだ人の言葉というのはどうしてこうまじない呪いなのだろうか、ここから先は遺言によって進めませんというプログラムでも仕組まれているのか。

去年のつゆつけて食ううどんだ

最後の人がやってきて、これはダメかもしれないと、さんざん文句を叩き込まれる傍らで何することもない。甘やかさなかったのが私の落ち度なのだろうか、そして基準とは、どの世間へ行っても同じでないことは容易に察せられる。よくみんなズルしてるのに世界は平和だと、道端に零そうかと思った絆創膏だったが、家まで持って帰ってきてしまった。

ふるえる体が動かない字を欲する
どこへ戻ってくればいいかは本に書いてある

みだらに紡がれる私の血管は細々として
いつになっても切れてしまいそう
ふゆかいな未来だから
逃亡しつづけて生きる裏道



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