連載
プロローグ
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〈レジェンズ〉
――――それは今からとてもとても気が遠くなるほど昔に繁栄を極めた伝説の生き物の事である。
しかし、文明が始まり、レジェンズの繁栄はおわりを告げ
文明の黄昏時、その時代時代に〈レジェンズウォー〉と呼ばれるレジェンズと人間の間に起こった戦争。
それの終焉、レジェンズ達はソウルドールと呼ばれる水晶体に姿を変え、眠り続けた。
それは幾度も繰り返され、そのたびに文明は滅び、レジェンズは眠りについた―――――

その眠りがD・W・C(ダーク・ウィズ・カンパニー)という玩具会社により、崩されようとしていた。
どこかの遺跡にバイク、ハーレー・ダビットソンに跨る女性の姿があった。
彼女の愛車なのだろう。よく手入れが行き届いていて、神々しいまでに輝いている。
「ここにレジェンズが眠っているのね…」
そう言って、彼女は遺跡の中に消えた―――。



遺跡の内部では既にD・W・Cの社員たちで溢れていた。どうやら調査隊のようだ。なにやら自社の社歌を歌いながらカウントダウンをしている。その中心には巨大な水晶のようなものがあり、コードが繋がれている。どうやら、水晶に爆弾を取り付けてあるようだ。
そして、隊長らしき人が面倒になったのか、社歌の途中で起爆スイッチを押す。とてつもない爆音とともに水晶のようなものの一部が壊される。とたんに水が流れ込むように社員が水晶の中に入っていく。
水晶の中は入り口がない空間になっており、その中心に外の巨大な水晶をそのまま縮めたような小さな水晶が78個、かたまって置かれていた。しかし、その水晶は美しいほどに輝き、水晶の中にはそれぞれ違った姿の人形が納まっている。
「隊長!ありました!ソウルドールです!」
「おぉ!あったか!」
隊長と呼ばれた者が確認しに近づく、しかし
「4個足りない!」
「えっ!?」
隊員たちは驚いた。なにしろここにあるソウルド−ルがすべてだと思っていたからだ。
「文献によると、ソウルドールは82個あるはずだ!」
そして、その会話を入り口の無いはずの水晶の上部の穴で聞いていた先ほどの女性。
目を光らせ、穴にもぐりこみ、巧みに体をくねらせて突き進む。
そして―――
「よっと」
抜けた先は先ほどよりさらに地下深くのただの空間だった。しかし、彼女が床に下りた瞬間床が崩れ、足場が無くなり、中心にあった、突き出た柱だけが残った。彼女は崩れる前に何とかその突き出た柱にたどり着き、しがみつくことで落下を免れた。息を整えて下方を見ると、
嵐が渦巻いていた。そこにその位置を保ったまま宙に浮いている3個のソウルドールを見つけた。
「見つけた。火のレジェンズ、ブレイズドラゴン――、水のレジェンズ、ビックフット――、土のレジェンズ、グリフィン――?」
彼女は何かが抜けていることに気がついた。
「あれ…?風は…?4大レジェンズのうち3体はあったけど、風のレジェンズだけ無い…何故?」
彼女には風のレジェンズのソウルドールが無いことに疑問を覚えた。そしてそれと同時に、上方で爆発音。
抜けた穴からロープをたれ下げ、それを伝って下りてくるD・W・Cの調査隊員たち、すぐにあるべき床が無いことに気がついた。そして、3つのソウルドールにも。

そんなD・W・Cの調査隊員たちを尻目に彼女は意を決し、飛び込み、3つのソウルドールを掴んだ。
そして途端に渦巻いていた風が彼女を包み込むように彼女を支えた。
風が彼女に集まると、遺跡が崩れ始め、とてつもない爆発とともに風が彼女を守りながら、大空を舞う。
そして遺跡から飛び出した瞬間、ポケットにしまっていた3つのソウルドールは風に操られる様に何処かへ消え去ってしまった――
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