1/3ページ目 昨日なんかワニがシュウの家まで押しかけてきた。もちろんただのワニじゃない。 ワニがしゃべれるはずもないのにワニ言う奴がワニじゃー!とか言ってたし。尻尾が二本もあったし、二足歩行だったししかもちゃっかりブーツも履いてたし!まぁ、爪でつま先の部分が破れてたけど… それを思い出すだけで怖いような、むかつくような、面白いような…複雑な気持ちになる。 今日も相変わらずシュウはあの白いドラゴンの事を言おうとしない。 それどころか、あの騒動の翌日から学校にあの白いドラゴンに似たネズミがシュウにくっついてきている。 メグやマックはかわいいネズミとか言うけど、僕はあまり好きじゃない。 そんな事を考えながら白いネズミを見ていた。 「気にしないほうがいいんだな」 「うわっ…マック!」 まるで考えを見透かされていたかの様にいきなり声をかけられて驚いた。その拍子に顎が当てていた手からずり落ちて机にぶつけてしまった。 「珍しいわね。ショウが授業中ぼ〜っとしてるなんて」 「そ…そうかな…」 といいつつ、僕は授業に集中するフリをした。 しかし、授業中と言っても新任の先生が不在で自習、なのだが。理由はなにやら職員室で授業に必要のない調べものがあるとかないとか…正直仮にも新任の教師がこんなことでいいのか、とは思う。だってクラスの生徒はほったらかし、クラスメイトがレジェンズバトルをしていようが何をしていようが注意しない。おまけにそれでアルバイトだっていうんだから驚きだ。 「あ、そういえばいい所があるんだな」 マックが何かを思い出したかのように言う。 「いい所?」 「学校が終わったら行くんだな」 断る理由が見当たらないので俺たちはそれに同意した。 今日の授業が終わり、マックとメグと俺とショウで下校する。 「ここなんだな」 そう言ってマックが紹介したのは俺たちが―ショウを除く―まだ5歳位の頃入り浸っていた"秘密基地"と当時は呼んでいた古い時計台だった。 「うわ〜まだ残ってたんだ」 俺はうれしさと懐かしさが同時に込み上げてきて、その頃の記憶が蘇るような気がした。 「よく見つけたわね、マック」 「えへへ、なんだな」 頬を少し赤に染めてマックは照れている。 早速古い木製のドアから中に入って見る。ビルの中は異様に狭く、子供がやっと通れるくらいだ。シュウたちは小さな頃入り浸っていたためか起用に進んでいく。が、僕はまだ当時この町にすらいなかったから置いていかれそうになりながらもシュウたちの真似をしながら後を追う。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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