連載
運命
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ブルックリン101小リキリキリッキーズは今日も負けてしまった。リキリキリッキーズのメンバーは皆落ち込んでいる。俺以外は。
「どーしたんだよ、みんな。」
俺は一拍置いてみんなを元気付けようと言った。
「明日は明日の風が吹くってねぇ〜♪」
「今日の風は今日しか吹かないとも言えるぞ」
さすが監督といったところか。あっさり返されてしまった。
「あ・・・はは・・・」
とりあえず、俺は笑ってごまかした。
だけど、いつまでも落ち込んでてもしょうがないと思う。と―――
「少しは落ち込めや!!」
メグの強烈なチョップがシュウの顔めがけて飛んできた。
「!いだっ・・・メグ、なにすんだよ〜。」
なんかものすごい量の涙とか鼻水とかでてて傍から見ると大丈夫なんだろうかと思える程の激しいチョップ。だけどシュウはこのぐらいじゃへこたれないことないことを僕たちは知ってる。
そんな2人のやりとりを見守るマックと僕。
メグは青いスカートにハート型のポシェット、ピンクの髪、ブルーの瞳が特徴の女の子で本名はメグ=スプリンクル。
マックは赤いジャケット、茶色い半ズボン、黄土色の髪、オレンジの瞳にハンバーガーをいつも持っている。語尾になんだなとつけるのが口癖のちょっと肥満ぎみの男の子。本名はマイク=マクフィールド。
僕はシュウとは反対に内気で口数も少ない。だって苦手なんだ。人と話をするのが。それと、チャームポイントは銀のショートヘア。茶色い瞳。小柄なこと。本名はショウヤ・ヴィッカー。日本人の母とアメリカ人の父を持ったハーフで、一応国籍はアメリカってことになってる。
じゃあな〜とか言いながら帰路につく僕たち。そんなとき、
「あぁ、父さん」
「あっ、シュウ」
父さんと家の前でばったりあった。
「ただいま」
「ただいま」
二人同時に挨拶をする。
「あら、おかえり」
「シュウ、これやるよ」
鞄から取り出された妙な形のおもちゃ。父さんが会社で作っている物だ。
「ナニコレ?」
「タリスポッド」
「あぁ〜、今流行ってるやつね」
玄関に向かう途中でおもむろに父さんに渡された物…純白のタリスポッドとそれを入れるケースだった。
「それ、やるよ」
「いいの!?」
別にいらないと思ったけど、もらえるものはもらって置く。そのほうが得した気分になれるし。
「あぁ、なんかわかんないけど会社から駄目って言われたんだよ。僕はいいと思ってるんだよ?」
とってつけたように自分でフォローをする父。情けないというかなんというか…でも、それでこそ俺の父さんだと思う。
「どういいの?」
一応質問してみた。
「すっげー、本物っぽいの」
「どう本物っぽいの?」
本物というのが分からないから仕方がないのかもしれない。
「それはわからないんだけど…」
「全然駄目じゃん!」
心の中で呟いた、声にも出てしまったが。
そしてこの日は終わった。
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