連載
運命
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それから1年――


シュウ――本名はシュウゾウ・マツタニ――こと俺が少年野球チームリキリキリッキーズの命運を賭け、マウンドに立つ―


――サーガ


「?」

俺は誰かにそう、呼ばれた様な気がした。しかし、今は試合中。ゲームに集中する。流れる緊迫。そして風が吹いてきた。それが気持ちよくて目を閉じてそれを目いっぱい感じた。
応援する友達や仲間―
いや、呆れているだけかもしれない。三人の友人を除いては。
「しっかりしなさいよ〜?」
彼女はメグ。彼女は黄色い安そうなカメラを構えている。
「がんばるんだなぁ〜」
彼はマック。彼はいつものようにハンバーガーを常備している。
「がんばれ〜、シュウ〜」
僕はショウ。かなり棒読みである。でもシュウは気にしない。
だけどそれはしょうがない。だってそれが僕のスタイルなんだから。それをシュウは分かってくれている。
「おう!まかせとけ!」
俺って威勢だけはいいんだ。
そして、審判のプレイの声。
案の定、というかやはりというか豪快なスイングとは裏腹に見事なまでの空振りだった。スイングと共に激しい風が巻きおこる。
そのころいつの間にかハーレー・ダビットソンに跨ったまま宙を舞う彼女は俺達がいる野球場付近をとんでいた。
「!」
そして球場からのいきなりの突風にハーレー共々吹き飛ばされてしまった。
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